前進座公演「笑いごとではありませぬ」
本会常任理事で前進座の俳優:益城考次郎さんの出演舞台です。
ものがたり
昭和14年(1939年)、戦勝に沸く帝都東京。狸塚町まみづかちょうでは若い落語家・弥次郎やじろうの出征を祝う壮行会の真っ最中。見送るのは師匠の蝶楽亭ちょうらくてい双六すごろく、弟弟子の軽太、評論家の無笑庵庵ぶしょうあん先生、そして秘かに弥次郎を想う幼友達のみち代、犬の寿限無……。みち代の親友・園子は寄席の娘で、軽太と共に、みち代と弥次郎の恋の応援団長。弥次郎の最後の高座を、思いつめたように聴いていたわけありの若者・正直まさなおは、前座不足に悩む寄席の人々に誘われ、《ぜん米》の名前をもらって落語家修行を始める。辛い時代でも、シャレや笑いを決して忘れない落語家たちに囲まれ、ぜん米は次第に心を開いていく。 戦況の悪化、軍部からの圧力……活路を見出すべく、落語家たちは廓噺や色恋の噺53席を《禁演落語》に選定し封印。戦時下の政策を喧伝する《国策落語》を上演する。軽太が『国策落語』で売れる一方、古典派の双六は無笑庵先生と大喧嘩。弥次郎は戦地で負傷し、帰ってはくるが、その目には以前の快活な光はなかった……
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